能登の未来
FUTURE
投稿者
川原應貴
子ども達に豊かで幸せな未来を。
100年先の未来を創るために、自分たち世代が使える時間は短い。次の世代に引き継がれ、未来を生み続けていく、そんな仕組みが必要です。
それを、奥能登の農業から発信したい。
人間は、食べたものからできている。食は、人の生命活動の根幹です。子どもの食が良くなれば、子どもの未来が良くなる。子どもの未来が良くなれば、日本の未来が良くなる。日本の未来が良くなれば、今を生きる子ども達やその先を生きる子ども達が、より豊かに暮らしていける。
だから、日本中の食物を良いものにする。
そのためには、食物の供給基盤のひとつである農業の未来を明るいものにしなくてはなりません。しかし、従来型の農業では収益の安定性が確保できず、農家が農業を継続しづらい世の中になっているのが現実です。ましてや、未経験者が独自に農業参入して生計を成り立たせることは、とても難しい。少子高齢過疎化の最先端地域とも言える奥能登で、これからも農業を続けていくための現実は、きわめて厳しいものです。
数年前から、非農家の皆さんに参画してもらい、日本の未来を食から良くする事業に共に取り組む、新しい農業の仕組み「Farm Sharing」を続けています。
Farm Sharingでは、農業を支援したい・始めたい個人や事業者が、一口農場主として、「自分の農場」を持ち「自ら農業に参入」することができます。農家は、一口農場主からの支援で収益構造を安定化させることで、より質の高い農業に取り組むことができるようになります。
もし、日本中の農家が、安定した収益基盤のもと、より良い農作物を生産できるようになったら。そして、その農産物が市場原理に基づく適正な価格で全国に流通するようになったら。質の高い農産物が、すべての子どもの口に、平等に入る世の中が生まれます。
私には、5人の子どもがいます。自分の原動力は、自分の子どもに豊かで幸せな人生を過ごして欲しいという想いです。しかし、この子たちが将来幸せに過ごしていく為に、うちの子だけが豊かであればいいかと言うと、そうではありません。今を生きる子ども全員が豊かにならないと、うちの子達は幸せに過ごせません。
能登半島地震で、私たち家族は住む家を失いました。それでも、不思議と私には絶望感はありません。失ったことによって、今あるものがすごく鮮明に見えてきました。
奥能登地域の農業から改革がはじまり、ゆくゆくは日本の農業のカタチを変えることが、自分の使命だと思っています。
日本中の全国民が、自分の農場を全国各地に持ちながら、みんなで良い食を育む未来を、私は思い描いています。