能登の未来
FUTURE
投稿者
英也歩
私が思う能登の良さは、「祭り」と「人の温かさ」です。祭りは、能登にとっても私にとっても本当に大切なものです。祭りに対する熱い思いは、能登ならではだと感じます。祭りのために学校が休みになる地域は、全国的に見るとそう多くはありません。ですが、能登では祭りの日に学校が休みになる地域が多いです。子どもも大人も参加して、みんなで祭りを作り上げようという雰囲気が好きです。祭りの日には人口が2倍になったのかと思うほど、人でごった返します。それだけ、能登の人々の祭りに対する思いが大きいことを感じます。
昨年のゴールデンウイーク前にも地震が発生しましたが、その際には祭りができるかどうか厳しい状態でした。ですが、地域の方々の「どうにか祭りをやりたい」という熱意のもと、祭りを開催することができました。苦しい状況のときにも、祭りは地域の人々の希望でした。今回の地震では、その時の地震とは比にならないほどの甚大な被害を受けました。地震が発生してからまだ日が浅いので、今を生きるだけで精一杯になります。ですが、こんなときだからこそ、祭りは能登の人の希望の光になるのではないかと思います。「また祭りをしたい」という思いが、私たちが再び顔を上げ、未来に向かって進む原動力になると思います。年齢も性別も飛び越えて、地域がひとつになる能登の祭り。その魅力を今後も伝え、100年後も続いてほしいと願います。
もう一つ、「人の温かさ」も能登の魅力の1つです。これまでもこれからも、助け合いの精神で生かされると感じています。私は地震後しばらく避難所で過ごしましたが、そのときにも人の温かさに何度も助けられました。皆で数少ない食べ物を持ち寄り、分け合って暮らしていました。また、焚火の近くで暖を取っていると、知り合いでもないおじいさんが焼いたお餅を分けてくれました。大変なのはみんな一緒なのに、そんなときでも見知らぬ私に食べ物を分けてくれました。いつもと変わらぬ能登の人の優しさに、心が救われた瞬間でした。地震で被災しましたが、だからこそ、より一層能登の人の温かさが沁みました。
私の大好きな能登が、私以外の人も魅了するくらい素敵な場所になるよう、復興を成し遂げてほしいです。