能登の未来

FUTURE

食を通じて笑顔と幸せを!

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投稿者

和田丈太郎

私は、珠洲市真浦町で、庄屋の館と能登観光ホテルという飲食店と旅館を営んでいます。飲食店は海が見える自然豊かな好立地に築160年の古民家を移築した店で、裏山の崖崩れの被害はありましたが今回の地震にも耐え抜いてくれて立派な建物です。旅館も創業60年たち、11月から施設改修工事半ばで今回の地震にあいました。家族や従業員が無事だったことや、これまで先代の築きあげてこられたことに改めて感謝しました
珠洲に長く生活していて「誇り」に思うことです。
① まずとにかく人が素晴らしい。みな協力的。もとから住んでいる人も、移住してこられた方もあるが、地域としてまとまりがある。どこかで困ったことがあれば助け合えるような関係。特に秋祭りには自宅に、旬の料理と酒で客人をおもてなしする「よばれ」という風習があります。珠洲のコミュニティの基になっています。
② 美しい里海里山の自然。珠洲市は外海と内海があります。真浦町は外海の海岸なので、波が荒々しく打つける日、ほとんど波がない穏やかな日、毎日海の表情に変化がります。特に夕日は何回見ても心和む美しさです。
里山には棚田もあり美味しいお米も収穫できますし、高台にいけば美しい景色も眺めることが出来ます。
③ 自然からとれる食材も宝の山です。市場から直接やり取りをして、今日取れた新鮮な海の幸をお客さんに提供することができます。また能登牛を取り扱う認定店でもあり、能登牛のステーキ丼(能登丼)は店でも一番人気にまでなりました。農業も盛んで、米、ブロッコリー、カボチャ等、生産者から直接の仕入れもしておりました。
④ 地域の学校 子どもが通う大谷小中学校(1年~9年)には23名の児童生徒が通っています。みな優しくて素直でそして仲が良いです。地域の皆様による子ども達への学びの場やご支援ご協力も大きいです。PTAの活動や連携も素晴らしいです。
⑤ 受け継がれている伝統・文化の大切さ 地域の四季を通じた祭りや塩づくり、砂取り節など未来へ伝承していくことも大切に感じています。
  
100年後の奥能登珠洲市について。この①~⑤持続的に残っていてほしい。ただ今回の地震で安心安全な地域であることが必要だと感じた。最先端のテクノロジーも駆使した災害に強い地域として再興していけたらいいと思う。
自分の信念は、今まで食を通じて人に笑顔と幸せを提供していきたい。地震が起きてから、2時避難されている方を対象に料理をさせていただく機会がありました。あの時の笑顔が今も忘れられません。ライフラインの復旧も数年かかるだろう。これからどうしていくか様々な迷い悩みもあります。
ただ、自分ができることは食を通じて笑顔と幸せを届けること。場所は違えど県内外で臨時店舗として挑戦してみたい思いもあります。真浦の店の再興も成し遂げたいですし。そこが地域の方や観光で訪れる方が交流できるひと時を楽しむ笑顔や幸せがあふれるようなそんな空間を創っていきたいと考えています。

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