能登の未来
FUTURE
投稿者
小梶崇
100年後の能登は「小さな世界都市」として歩んでいると思います。
私自身は岡山生まれの大阪育ちです。七尾に住み始めたのは仕事の都合でしたが、もともと歴史好きなので、日本五大山城のひとつ「七尾城」には惹かれるものがあったし、実際に住み始めてみると人が良い、食べ物が良い。なのでそのまま住み続け、ここで家族を持ち、16年目に入りました。
七尾市の人口は約48,000人(令和6年1月現在)。この15年で1万人以上減りましたが、それは能登地域に限ったことではありません。七尾を地球上の一拠点として捉えれば、むしろ人口3万人でも豊かに暮らしてゆくことは可能だと思っています。そのために必要なのが、能登と世界をつなぐ架け橋を築きくこと。人やモノが自由に行き来できるようになれば、働き・住まう場所の選択肢が拡がって、子供たちは世界の人とつながり、自然とお互いの文化を学び合うようになるでしょう。そんな思いから、数年前に「“小さな世界都市”という未来を育む」という壮大な理想を同志の皆さんと共に掲げて、タイやインドと交流したり、北陸の特産品を紹介する事業を進めています。
能登はこれまでも、その風土を愛する人々を各地から受け入れてきましたが、100年先の未来には、もっといろんな人が暮らしているのが当たり前になっていて欲しいですね。たとえば、能登らしさの象徴であり、持続可能な町として生き残るためのカギとなる「お祭」や「運動会」。中でも5月のゴールデンウィークに開催される七尾の「青柏祭」は日本最大級の曳山で知られ、まさに能登半島にお祭シーズンの到来を告げるゴングです。2024年は残念ながら中止が決定してしまいましたが、100年後の「青柏祭」には、インド人やドイツ人が普通に参加しているかも、と妄想しています。短期的な観光誘致ではなく、地球上のいろんな人が暮らし働くことで、いろんな地域が抱える悩みが共有され、その解決策をみんなで考えることにつながるかもしれません。そんなグローバル化が進むと、かえって日本人としてのアイデンティティーというか、「これは自分たちで残さないといけない」というものが明確になってくる気もします。
能登の中核都市であり「能登のお兄ちゃん」を自負する七尾としては、一刻も早く元気を取り戻し、地域全体の復興を後押ししなくてはと思っています。一人ではできないけれど、能登には一緒に未来を考える仲間がたくさんいるので、世界に開かれた100年後の能登を育むために頑張ります!