能登の未来
FUTURE
芸術村能登半島100年構想
投稿者
栗田和敏
日々、科学とテクノロジーが急激に進化する中、町興しの為の極端な商業主義に振り回される能登半島の未来では無く、必需品としてのテクノロジーの利点を活かした施策を取り入れ、能登半島独特の自然や多彩な食文化、輪島漆器やすず焼などの伝統を受け継ぐ工芸品の多様化した新ニーズに応える制作と販路拡大、歴史の重みを味わう伝統祭を滞在型で楽しむ為に訪れる観光客との交流、世界が期待する国際イベントの毎年開催で、癒しと歓喜、平和を求めて多くの若者がこの地に集う滞在型芸術村能登半島の未来創造を考えます。
インターネットの進化は、いつでもどの場所の人達とも居ながらにして会話や会議が出来るので、ビジネス環境は一段と改善され能登半島からの移動回数も時間も極端に減少し、国や自治体のハード面の大きな協力があれば住環境はさらに良くなります。
またWEB活用で、世界の今や過去の出来事、事業の成功や失敗事例などが簡単に探れるので、夢を実現させる初期作業に素早く入れ、能登に居住していても手間取ることなくスムーズに準備出来ます。
加えて都会と違い、雑音に触れる機会や無駄な事柄に費やされる時間が削減されるので、1 日のスケジュールに余裕が生まれ、ビジネスだけで無く町の未来に新たな可能性を追求する時間が確保でき、住民の質の高いコミュニティ創造への伸展に繋がります。
また、人や町には世代を繋ぐ使命があり子供や孫達の為にも時代に即したイノベーションが絶えず必要です。
数100年続いている文化や名物パフォーマンスも時代と共に徐々に進化させ、歴史保存を考慮しながら、より町の発展に繋がる事業に成長させ、バランス良く次世代にバトンタッチしなくてはなりません。
特に能登半島は天候や自然災害の影響を受けやすく、これらに対応出来る画期的なアイデアが必要で賢者達の幅広い知識と知恵を駆使し、避難時にも活用出来る複合的な市場やショッピングセンター、古いスタイルの民宿から個性的で衛生的なプチホテルへの展開、移住対策を含む別荘やリゾートホテルの建設、世代を超えて遊べるユニークなゴルフ場や多彩なマリンスポーツ産業開発、著名芸術家や町民、大勢の観光客が集う絶妙な雰囲気のカフェ&レストラン、そして毎年開催される世界規模のイベントに集う国内外の若者達との文化交流事業など、バランスの取れた施策が必要と考えます。
それには優れた多くのコンテンツを完成・成功へ導く為に、幅広い知識やフレキシブルなアイデアを持つ国際的な人材ネットワークを構築し、コンプライアンス重視の民間専門家集団を組織する必要があります。注意点は、利益優先の大手企業主導のバラバラのアイデアを集めた組立型では無く、100年を見据えたサスティナブル的な総合プランを確立し、自治体と住民との意思疎通と理解ある共同作業で実行しなくてはなりません。
一方、国際イベントの功績は観光集客が戦略的に考案されていて、100年以上の時を刻む国内の東北4大祭や京都の祇園祭、土佐の阿波踊りや岐阜の高山祭、100年に近づく海外のベルリンやカンヌの国際映画祭、環境に配慮した車やヨットレース、各国の国際音楽祭や芸術祭など、毎年マニアや観光客が世界中から集まり多くの収穫を得ています。
これを能登半島に当てはめると、これまでとスタイルの異なる国際イベント開催は、大勢の人が交流することで能登地区住民は挙って世界の文化や幅広いファッションに直触れし、多彩な文化が生まれることでより魅力的な故郷に変貌するかも知れません。また、子供達にポジティブな暮らしの想像を生むかもしれません。
チェック情報として、現在開催されている国内の観光誘客拡大を目指した多くの文化イベントの欠点は、発想規模とグローバル時代対応の戦略が軟弱で、運営スタッフも地域優先の自己満足型になり、自治体の小予算割り振りの「唯の賑やかしイベント」で完結していることです。
そこで視点を変えて、グローバル化に対するマーケティング研究と国際イベント開催の費用対効果、未来の人材育成への効果を幅広く熟考し、時間をかけて準備しなくてはなりません。
例として、一昔前のカンヌは農水産業中心の小さな町で、フランス政府の政策で国際映画祭を誕生させたことで観光とリゾート化が飛躍し、現在は7万人の町に年間200万人を超える観光客が訪れる人気の場所になりました。加えて、スイスのモントルーは住民2万人程の町ですが、2週間開催のモントルージャスフェスティバルには毎年約22万人を超える観光客が集い、知名度アップと大きな経済効果を上げ、世界的なイベントに成長しています。
一方でこの様な効果は、英国で育ったビートルズが作ったロック音楽の聖地巡礼のリバプール、女子カーリングのロコソラーレの活躍で有名になった北海道常呂町の町起こしの実績を見れば一目瞭然です。このことは、市民の誇りとランドマークを生み、若者達の連携から町の活性化と観光誘客拡大を実現しています。輪島漆器も漆器産業の聖地として、このカテゴリーに存在しているかも知れません。
結論として、自然や人間文化に触れて心を癒し人間回帰を求める若者達が集まる町は、絶えずイノベーションを繰り返し、100年の歳月を超えても新鮮でユニークな人類憧れの場所として人々の行き交いが途絶えない、また時代の流行に惑わされない経済的にも安定した町になると考えます。
加えて、戦略的な事業展開の中で能登空港を上手に活用することは重要なポイントで、国内外の観光客が短時間でスムーズに移動出来れば、より移住や集客拡大が可能になり、能登半島全域の発展にも繋がります。