能登の未来
FUTURE
投稿者
土山大輝
能登地方は元旦に起きた大地震によって被災地として世界でも有名になってしまいましたが、これから先、日本を訪れる外国人が「まさかあのNOTOが」と思うような地域が私の願う100年後の能登です。 具体的には強靭で環境に優しいインフラ開発を中心に自然を体験できるレジャースポーツ、海の幸山の幸が楽しめる飲食店、輪島塗など工芸品の体験施設をもう一度設計しそのインフラで能登全体を楽しめる観光地として、そして地域住民が将来を望められる地域です。 能登地震では多くの道路が寸断され、救助や支援が届かない集落がメディアでよく伝えられていたのは記憶に新しいことでしょう。また、津波や火事の延焼による被害もありました。ここに私は能登地方のインフラの脆弱性、街が海寄りであることを感じました。能登地方がこれから復興していくためには、今回の地震の程度では物理的にも精神的にも、ものともしない、さらに災害に強いまちづくりをする必要があるのは自明です。そこで、公共施設、住宅街を丘陵地を中心に再編しそれぞれの集落を土砂崩れの心配のないように、幅が広く急峻な崖を回避した幹線道路でつなぎます。さらに各地にいつでも通れる避難道路を設置し災害に強い街にします。しかし、震災直後の輪島市長坂口氏のコメントのように、どれだけ準備してもそれを超えてくる災害のリスクはありますし、復興したことで地震への心の備えが薄れてしまってはなりませんから、定期的な訓練で命を守る意識を根付かせます。災害で街が壊れてしまったことを、これからの活力にすることもできるはずです。 能登地方に人を呼ぶには、豊富な自然を使わない手はありません。夏にはマリンスポーツやキャンプ、冬には雪が観光の目玉になります。私は、近年のレジャー産業のニーズは快適ながらも自然を楽しめることにあると思っています。普段の生活からかけ離れすぎると、それはそれで苦しく感じる人もいるので、自然を自然に活用する施設と、自然をモダンに活用する施設の2種が必要ではないでしょうか。そこにはもちろん特産の食材も重要です。能登でしかできない体験をするから能登に来る価値があるのですから、海の幸山の幸を存分に楽しめる飲食店はぜひ目立って宣伝していく必要があります。そしてさらに、能登固有のものは食だけではないですよね。これもまた今回の地震で多く被害を受けてしまいましたが、輪島塗を筆頭に工芸品も大きな要素です。茶碗や皿はお土産や贈り物としての需要もありますから、観光客が工芸品に触れ、その魅力を知ることで各地に能登の工芸品の魅力を伝えてくれるでしょう。 能登の魅力は現在各地に散在していますから、災害に強く自然に優しい街を道路、鉄道、航空機、船舶で街同士の、他の地域との繋がりをつくれば、今の現状でも100年後の明るい未来を想像できはしないでしょうか。