能登の未来

FUTURE

能登半島で最も厳しい状況に置かれている珠洲市

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投稿者

表聖司

能登半島地震の報道を見て、驚き、うらやましく思うのが、能登に今も色濃く根付いている「やさしさ」。能登乃國百年之計に柱として据えるのは、「住んでもらう、来てもらう、関わってもらう」。「やさしさ」が人を呼び寄せる磁力となり、その源となるのは豊かな食材と地域コミュニティー。『やさしさ満つ地、百年先も』を旗印に能登乃國百年之計を提示していく。
まず食材については、他の地域との差異化を図るため焦点を当てるのが海藻。日本に生息する海藻は1000種類を超え、その殆どが食材として利用できるが、実際に用いられているのは数十種類といわれている。珠洲市ではワカメ・キバサ・カジメ・メカブ・アオサ・ツルモを使用したしゃぶしゃぶを提供する店があったが、その種類を更に増やせるし、料理のレパートリーも広げていける。
また、海藻を肥料として畑で使用すると農作物の品質や栄養価が向上するというデータもあり、「やさしや土までも」を100年先にも引き継げる。こうした海藻に目を付けて研究したり、栽培と商品化に取り組んでいたりする学者や会社が存在していて、連携・誘致をして、珠洲の海での海藻探しと栽培、商品化を図る。
次に地域コミュニティーについて。珠洲市をはじめ石川県は「真宗王国」(浄土真宗が盛んな地)といわれる上、江戸時代までは曹洞宗の本山があるなど仏教信仰が盛んで、寺院が地域コニュニティーの核となり、「利他」の精神を育み、「やさしや」の源泉ともなっていた。が、珠洲市では地震で多くの寺院が倒壊・破損し、核を失った地域コミュニティーが消滅する危機にある。宗教施設に特化せず宗教・宗派を問わない”場“としての寺院をまず1か所立ち上げ、僧侶や門徒・信者と地元の人・移住者・滞在者・観光客が世代を問わず気軽に立ち寄り、一服したり、語り合ったり、学びあったり、修行体験したり、といった機会を創出し、利他の精神に育まれる「やさしや」を継いていく。
2025年以降、珠洲市の元日は “震災犠牲者を追悼する”日ともなる。犠牲者の霊を慰めるとともに、新年を祝い復興への気持ちを新たにする契機に、また寒さ厳しい1月にほっこりとなれるように、見た目も香りも楽しめる蝋梅を、復興の象徴として梅を空き地等に市内の中学生1年生や来訪者・観光客に100年かけて植樹、来訪者と観光客には苗木を購入してもらう。実は梅酒・梅干し・梅ジャム等に加工し復興応援品として販売するのはもちろん、ふるさと納税の返礼品に、またボランティアとして来てくれた人たち等には「珠洲とのご縁の品」として渡す。
以上の取り組みによって、珠洲市に「住んで、来て、関わって」もらい、『やさしさ満つ地、百年先も』を実現する。

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