能登の未来

FUTURE

つなぐ、伝統工芸

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投稿者

松多良美

国の重要無形文化財である輪島塗は堅牢な塗りと加飾の優美さを特徴とし、日本を代表する漆器として国内外から高く評価されている。しかし、この度能登を襲った大震災は数多くの輪島塗工房や人々に甚大な被害を与えた。
伝統工芸をつなげるアイディアは多々あるが、私は以下のように考える。

破損を免れた輪島塗作品は既に販売開始されているが、私はあえて被災した破損した輪島塗作品を復興に役立てたい。破損した作品を元通りに繋ぎ合わせるのではなく、別の破片などと金継ぎの技術を通してつなぐことも考えてはどうだろうか。
能登の震災の記憶と共に新しい作品として生まれ変わらせ、後世につないでいくのである。
そうすることで、震災にはあったが無傷のままで残った輪島塗とは違い、鑑賞する人々や購入する人々に震災のメッセージがより深く伝わると考える。傷ついても立ちあがろうとする姿は、輪島塗の力強さや能登人々のその姿と重なる。

国内のみならず海外の展示会にも参加し、震災のみにこだわらない「被災アート」(仮名)としての分野を確立していきたい。それは自然災害が多い日本ならではの新たなアート活動であり、この先を託す若い世代の災害意識を刺激するのではないだろうか。

また、令和6年能登半島地震のキーワードを「つなぐ」で統一したい。

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