能登の未来
FUTURE
100年後、能登は金沢に匹敵する地域に。震災前より豊かに元気に。
投稿者
木元創大
私は今、救急救命士を目指して国際医療福祉専門学校七尾校に通学し、七尾市内の寮で生活しています。
地震なんてない方が良かった。悲しい思いや苦しい思いをしている人がたくさんいます。でも、地震は起きてしまいました。この事実はどうしようもない。なら、せめて、「地震の前よりよくなった」と言われるほど素晴らしい地域になってほしいと願います。
石川県は元々、「加賀」「能登」と分けられることが多く、どちらかというと「田舎」の扱いです。人口も減る一方です。100年後、能登全体で金沢に匹敵する地域になってほしいと思います。まずは人口を増やさなければなりません。30年から40年後を目途に、いっそのこと県庁を輪島か七尾に移転してはどうでしょうか。観光や石川県の「第一都市」は金沢市に任せて、能登に働く場所を作ります。金沢市はほうっておいても人は集まります。県庁を能登に移転することで物理的に人を集め、仕事で訪れる人も増えるでしょう。能登空港を利用する人も増え、道路も更に整備されます。交通の便が更に良くなり子供が増えるでしょう。やみくもに開発、発展させるのではなく、自然や伝統も残る「都会」と「田舎」が共存する場所になってほしいと思います。
能登の大きな問題のひとつに医療従事者の不足があります。特に産婦人科医不足は深刻です。出産は命がけです。「赤ちゃん協議会」を立ち上げたり「遠隔分娩監視システム」の導入など対策を進めているそうですが、出産時に何かあった場合、やはりそこには信頼できる医師が必要です。金沢市まで運ぶ時間はありません。派遣ではなく、能登に根を下ろして診察してくださる医師、病院の設置が進むことを望みます。50年後、100年後は能登でも金沢でも同等の医療が受けられるようになってほしいです。
この度の震災で、自衛隊や警察官、消防士のみなさんと一緒に救急救命士も活躍していたと思います。救急救命士はいつ発生するかわからない急病人やけが人に備えて勤務し、救急車などの中で救護行為を行います。生命の危険のある病気やけが人に対しては、特定医療行為など必要な救急救命処置も行う大変重責な仕事です。決して楽な仕事ではないと思いますが、自分の仕事で1人でも多くの命が救えたらこんなに嬉しいことはありません。救急救命士になることができたら、能登地域で就職し、微力ながら能登の復興・発展に携わりたいと思っています。
100年後の能登は、伝統も祭りも海も山も川も森も畑も虫も鳥も魚も今と同じように残り、且つ人もたくさん住み、人がたくさん訪れる地域になってほしいと願っています。そして、できればあと100年頑張って生きて、この目で「100年後の能登」を見届けたいと思います。