能登の未来

FUTURE

ラズベリーを能登の新たな特産品へ

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投稿者

山本龍之介

 私が生まれ育った能登。美しい山々や雄大な海が広がっており、能登の里山里海として世界農業遺産に登録されている。その自然に育まれた農作物や水産物の一部は能登の特産品として親しまれ、私にとっても身近な存在であった。しかし、元日に起こった令和6年能登半島地震は能登半島に甚大な被害を与え、能登の里山里海にも大きな影響をもたらした。多くの農地や漁港が荒れ、まともに作業ができない状態にあり、多くの特産品が生産できなくなってしまった。このような状況は今後何年かは続くとは思うが100年後には今以上に能登の里山里海を活用した一次産業が盛んな地域であってほしいと願っている。そのために私にできることとして、能登に新たな特産品をつくることで更なる発展に貢献できるのではないかと考えた。
 能登では既にブルーベリーが特産品として育てられており、近年ブルーベリー農家が摘み取り体験やキッチンカーを出店するなどして事業を広げている。私は実際に摘み取り作業や草刈りをするなどしてその農家の手伝いをさせてもらい、農業の楽しさ、地域だけでなく様々な場所に能登の特産品を広めることの誇らしさを知った。そのような経験から能登を支える農家になろうと考えたが、具体的に何を生産するかは考えていなかった。農家になるため、農業に対する専門的な知識を得ようと東京農業大学農学部農学科に進学することを決め、無事に合格することができた。受験するにあたり、当大学が研究している内容や扱っている農作物を調べたのだが、私はそのなかでもラズベリーに興味をもった。日本での流通は少なく、まだまだ改善すべき点も多いのだという。そこで私はラズベリーについて研究し、能登の新たな特産品として仕立て上げたいと考えた。実の肥大化や高品質化に加え、棘をなくす研究やそれぞれの気質に合うような栽培方法の研究を行い、他の地域のものと区別化することで知名度も上がるのではないだろうか。
 このように、自分と能登の未来に希望を膨らませていたところに地震が能登を襲った。先述したとおり多くの農地が被害に見舞われたため、今後数年は農作物の栽培ができなく、このまま手放す農家も出てくるだろう。そのような農地も私が大学での研究成果を生かしたラズベリーの栽培を行えれば十分に活かすことができるのではないだろうか。私が行おうとしている活動で、100年後の能登が雄大な自然をもとに農業や水産で活発な地域になって欲しい。

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