能登の未来
FUTURE
投稿者
橋本晃貴
「能登は優しや土までも」、この言葉が 100 年後も日本中で聞かれ、「子育てするなら能 登」、「一息つくなら能登」、「最後に行き着く場所は能登」という風に多様な人が能登を愛し、訪ね、交流し、能登から日本の未来が芽吹き続ける。私はそんな未来を願い、行動を開始しました。
能登には日本の原風景が残っており、祭や工芸などの豊かな歴史と文化が息づいています。これらは能登で生きる人々が紡いできたものであり生活者なしには伝承され得ません。能登が 100 年後も日本中の人々から愛され、多様な人々から愛され、選ばれるためには何が必要でしょうか?私は「安心」が最も大切だと考えます。具体的には「より災害に強い自然と調和したインフラ」、「DX など技術革新による医療アクセス格差の是正」、「社会実装の積極的受け入れによる雇用の創出」の3点からなる安心です。
まずはインフラについてです。本震災では金沢と能登を結ぶのと里山海道は壊滅的な被害を受け寸断されましたが、昔からの道であります外浦街道(国道249号線)は啓開が早く復旧に活用されました。かつて人は自然と調和し生活しており、それらは道などのインフラにも現れます。自然との調和を知る先人たちの声と最新の技術と合わせてより災害に強いインフラを整備することが安心な能登の実現には不可欠です。
次にDX など技術革新による医療アクセス格差の是正です。公立能登総合病院が唯一の 3次救急病院ですが奥能登からは救急車でも2 時間以上搬送に時間を要する現状があります。しかし、この状況は DX などの技術革新により変わりつつあります。外科手術に おいてはダヴィンチによる遠隔手術が近い将来可能になるであろうことが好例です。積極的に社会実装を受け入れ、イノベーションハブの一つとなることで能登は進化し、安心をより確かなものにすることができます。
より安全なインフラと確かな医療へのアクセス、積極的な新しい技術の社会実装受け入れは経済的な安心にもつながります。能登がイノベーションハブとなれば関連する産業が芽吹き、雇用が生まれ、人の往来も活発になり好循環が生まれます。技術の進歩が地理的な制約をなくしつつある今、これは決して夢物語ではありません。
最後に、これらを実現するために既に始めたことを申し上げます。発災直後に金沢大学の同級生や先生を巻き込み「石川・能登未来知図」を組織し輪島でのボランティア活動はもちろん、人と人を繋ぐことやこれからの能登を担う私よりも若い世代の声を集め届ける「能登未来会議」、能登を応援したいと志す全国の大学生を石川に集め自分たちに何ができるかを語り合い次のアクションに繋げる「ワカモノトサミット(仮称)」の開催を準備中です。未来の能登を紡いでいく仲間を集い、100 年後も能登が愛される未来をつくりす。