能登の未来
FUTURE
投稿者
小林美穂
今回の能登半島地震によって穴水町は商店街を中心に甚大な被害を受けた。観光地としての側面から考えることも非常に重要だとは思う。しかし、これは能登地域全体にも言えることだが穴水町は人口減少、少子高齢化に伴って市街地の人密度が低下し、日常生活を支える様々なサービスが行き届かなくなり、生活利便性が低下したり、郊外・町外への人口流出により、市街地の空き家・空き地が増加するなど、 市街地の居住環境が悪化したりすることが予想されており、この問題は今回の能登半島地震によってさらに加速していくことが分かる。こんなにもたくさん問題があるからこそ、私は100年後、穴水町は暮らしている人々が一番幸せに暮らせるようなまちであってほしい。
そこで私は、100年後の住民にとって暮らしやすいまちづくりとはどのようなまちかを考えた。現在の穴水町立地適正化計画を見てみると、「公共交通の結節点となる穴水駅を中心とした本町の核エリアにおいて、魅力的で、だれもが便利に快適に利用できるまちなかを形成するために、穴水駅周辺の商業系用途地域を軸としながら、安全・安心に、快適に歩いて回遊できる徒歩回遊圏(穴水駅を中心に半径 500m圏内)のまちなかエリアを都市機能誘導区域の基本とする」と記してあった。一般的な徒歩圏は、「鉄道駅から徒歩 20 分(直線距離で1km)」と言われているが、高齢者が多いというまちの特性を考慮し、高齢者が余裕を持って歩ける範囲、また、駅を起点に再度駅に戻るということまで考えて、一般的な徒歩圏の半分の穴水駅から半径 500m圏内を徒歩回遊圏としているという点がとても地域に密着した考えで良いと思った。この部分を見て私は、この穴水駅から徒歩500m圏内の都市機能誘導区域に注目し、ここが100年後充実していればかなり暮らしやすいまちであると言えると思った。現在、この地域には、都市機能が集結しているとは言えないと思うので、100年後には特に住民の日常生活において大切な商業機能が駅周辺に集まり、少し離れた地区に住んでいる高齢者なども駅までくれば、徒歩でいろいろな買い物や用事を済ませられるようになっていてほしい。そうすれば、暮らしやすくなるだけではなく、徒歩移動が多くなり、より住民が健康に、よりまちが安全になると思う。さらには穴水の人々がここの周辺で暮らすようになり、中心市街地の空洞化に歯止めがかかると思う。また、これによって中心市街地の地域コミュニティの活気が取り戻され、それがまち全体の元気につながると思う。