能登の未来

FUTURE

祭りの役割

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投稿者

荒井日南子

能登地震が起きたときに、周囲に能登に親戚がいる人が多く驚いた。学校では多くの友人が能登に住む祖父母の話をしていた。父親母親世代の多くが大人になって能登から金沢付近に出てきたのだ。今、地震の影響もあり、さらに多くの人が能登から移動してきている。100年後の能登について、人口流出は目下最大の課題であろう。
ここで私が注目したのが祭りである。祭りは能登の魂であり、拠り所だ、というのはもちろんだが、私は祭りの人々が帰って来る場としての意味を重要視したい。中学や高校でいうところの同窓会としての祭りである。何かしらの機会があってこそ人は集まるものだ。祭りは、地域共同体の心を合わせ、外に出ていった人々と地元を繋ぐ。祭りがなくなれば、能登はこの先100年の間その魅力を伝え続けることができないだろう。惜しむべくはその祭りが内輪で終わってしまっていると感じられることだ。県内であったとしても、能登以外の地域に住んでいる人は能登の祭りについてよく知らないことがほとんどで、まして県外、国外の人ならなおさらだ。青森のねぶた祭、秋田の竿燈まつりのようにその名、由来を広く伝えることで、祭りを人々が帰って来る場としてだけでなく、人々が新しく訪れ、能登の良さを味わってもらう場にしていくべきだ。
そのためには、まずは石川県が一体となり、自分の住んでいる地域だけではなく能登から加賀まで広く石川の文化を学び、石川人として他地域の人々に魅力を伝えられるようになることだ。まずは自分たち県民が能登を知る。それが100年後の能登を魅力的な地域にするための第一歩なのではないだろうか。

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