能登の未来

FUTURE

酒蔵がつくりだす風景や文化を残したい

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投稿者

金七聖子

能登には、人の良さがあります。遠慮がちで保守的だけど我慢強い人が多い。そして、持っている技術は高いけれど、能登の人にとってそれが「当たり前」になっています。たとえば、季節ごとの食に関するスキルなどはとても高いと思う。

能登の未来に残したいものは、風景と文化。能登はマイノリティの集合体だと思う。小さいコミュニティの多様性が能登らしさをつくっている。小さい単位、在所の単位、祭りの単位を大事にして能登の未来を考えてほしい。そのために、小さな在所ひとつひとつの意見を丁寧に聞いてほしい。

小さい在所でも神社があります。お祭りのなかで大切な役割を担うお神酒としての酒を残したい。蔵元という存在は、道具や自然の力を借りるなどいろんなものの集合体だと思う。音や湯が沸く香りなど、これまで日々の生活のなかで当たり前に触れながら暮らしてきました。「酒を造る」という行為を通じて残る風景や文化がある。
建物ができれば復興ではないという思いはあります。私の家と酒蔵は公費解体する予定です。酒造りもそうですが伝統的な建物や産業を継承するために、新たに他地域からも職人や知恵、学校や企業を募集して、今残せるものから先人の知恵を残していきたい。デジタル技術を活用しながら、人の技術を継承できれば100年後の能登もワクワクするはず。

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