残したい能登の未来と言うか、つくりたい能登の未来という感じだと思うんですが。能登はとても美しく、人も優しく、食べ物もおいしいというのは、当然残してほしいと思います。能登は際立って古い文化を持っている珍しい土地であり、どう考えても、大国主神の頃からの歴史を持っているところですから。その古い歴史、そのうえで輪島塗のような世界的に名の知れた特殊な工芸品を生み出した方もいっぱいいて。これは全部残すべきだと思います。ただ、それをやっていこうと思うと、もちろん港も直してほしいし、用水路も残してほしいと思いますけれども。また似たようなクラスターがあっても壊れにくいものにしてほしいと思いますし、そこをしっかりただ強靭というよりも、復旧力が強い空間にしてほしい。もうひとつは、ちゃんと大きな価値が生まれる空間にしてほしい。その視点で見ると、いろんな面白いことをしかける人はつぎつぎとやってきて、これまでの素敵な魅力を作ってきた人達と混ざり合って、新しい価値が生まれていくというのが起きるのが重要だなと思っていて。そういう視点では、そういう人達の居場所というか隙間というか、入ってこれるような文化的に開いているようなところが生まれてきて、しかも、いろんな人と混ざり合う、これができるかが大きなチャレンジになると思う。そこの良さを戻しながらも、新しい変化を持てるようになると、本当に素敵な、懐かしさと新しさを持った能登の未来があるんじゃないかと思います。